アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 ダイ役・種﨑敦美さん×ハドラー役・関 智一さん対談掲載のVジャンプ6月特大号は本日発売!!
本日発売のVジャンプ6月特大号では種﨑敦美さん×関智一さん対談を掲載中です! 今回は本誌の一部を特別にお届けします!
ついにダイ対ハドラーが決着! 期待が大きなプレッシャーに!?
――では最初に、ダイとハドラーの戦いの、収録時のエピソードを伺えますでしょうか。
関 僕が今まで演じてきた役で、魔王というのはあまりなかったので、最初はハドラー役がちょっと軽くないかと言われていました。過去の『ダイ』のアニメで青野武さんが演じられたすばらしいハドラーがありましたので、及ばないだろうとも言われていました。それでも、物語後半の武人になってからのお芝居が見込まれてキャスティングされたのではと期待する声もあったので、プレッシャーはありましたね。どんなふうにやったら満足されるんだろうとずっと考えながら演じていました。
――ハドラー役が決まったときは、どのように思われたのでしょうか。
関 僕自身の声がそんなに太くなく、魔王という感じではないですし、オーディションを受けたもののあまり自信はなかったんです。決まったときは驚きましたが、決まったからには遠慮なくやろうと思いました。放映開始当初からハドラーとダイの決戦のシーンを期待している声が多くありました。楽しみにしているみなさんの期待を裏切れないなという気持ちがあったものの、あまりに期待されすぎてしまうと力が入ってしまうというか、難しいところがありましたね。
――実際の収録では、自然体でいけたのでしょうか。
関 いえ、ずっとプレッシャーに思っていましたし、ついにこの場面が来ちゃったなという感じで、どうしても力が入っちゃいましたね。肩に力が入ってしまうというか、ああここは下手できないな、みたいな気持ちがありました。もちろん一生懸命やらせていただきましたが、こればっかりは視聴者のみなさんがどう受け止められるか決めることなので、良くできたかどうか自分ではわからないです。ただやれることはやったので、もし評判がよくなかったら僕の力不足ですかね。でもハドラーと一緒で、悔いはないです。
――なるほど。では種﨑さんは、ハドラーとの決着のときの心境はいかがでしたでしょうか。
種﨑 私も関さんにプレッシャーを与えていたファンのうちの1人かもしれません…! 最初のころからずっと言っていたことなのですが、私もこのハドラーとの決戦が『ダイ』の中でも一番好きなシーンなので。
――以前のインタビューでもおっしゃっていましたね。
種﨑 ついに来てしまったなぁ…という感じでした。ハドラーとの決戦もバランとの戦いも、ダイの旅路にはいくつかのターニングポイントがあったと思うのですが、ダイがものすごく早く成長していってしまうので、私もその成長に追いついていないと演じられないだろうなと思っていました。収録時には、一番好きな、ハドラーとの最後の戦いなのだからちゃんと演じなければという、好きだからこそのプレッシャーを感じていました。これまでも『ダイ』は常に全力で演じてきましたが、初めての連続で、悩むことも多かったんです。ハドラーと一番最初に戦ったときなんてもう、未熟も未熟だったので。ハドラーとの決戦の収録まで1年ある、1年で自分もなんとかダイと一緒に成長しなきゃと思いながら演じてきました。ハドラーが全力を注ぐ相手として、演じる私ははたしてそれにふさわしくなれていただろうかというのが気がかりです。
勇者ダイが元魔王のハドラーに、まさかの弟子入り!!
――ダイとハドラーの最終決戦では、いつもとは別の間の取り方や演出がされたのでしょうか。
関 そうです。あとは、テクニカル的な部分もあります。戦っているシーンとか、状況によっては映像がまだなかったりするので、今どこで何をやっているんだということにも気をつかっていて集中しにくかったり。もちろんみなさんが一生懸命やっての結果なので、それを非難するわけではないですよ。そんなケースもあるので、いまだに「アフレコって難しいな」って思っています。そう思うよね?
種﨑 めちゃくちゃ難しいです! 私はもちろんそうですが、関さんがそんなふうに思っているだなんて微塵も思っていませんでした。でもだからこそ進化し続けていらっしゃるんですね…。作品内でもそれ以外でも、役者として目には見えないいろいろなものをいただいているし、学ばせていただいているなと感じます。関 ハドラーとの決戦の回の数話では、収録でご一緒することも多かったので、収録終わりで喫茶店に立ち寄ってお芝居の話をしていました。このご時世、なかなか食事とかはできないので少しだけ。
――種﨑さんにとっては「心の師匠」ですよね。
種﨑 まさに。ずっと尊敬していた関智一さんからお芝居の話を聞かせていただける日が来るなんて、思ってもいませんでした。
関 種﨑さんが僕に「弟子入りしたいです」っておっしゃったんですね。1年前にはあのうつむいて何もしゃべらなかった種﨑さんが、思い切って声をかけてきた。もちろん僕は弟子とかは取っていませんが、種﨑さんが言うには関さんが面白いと思ったからだと…。
種﨑 いえいえ、そんな上からではないです(笑)。
関 それなら良かったらお茶でもとなって、心の中で弟子と思っておくよって言いました。
種﨑 作品的には、勇者が魔王に弟子入りっていうなんだかおかしなシチュエーションですね(笑)。
――確かに、面白いエピソードですね。
関 僕は劇団もやっているので後輩の劇団員はいますが、別の事務所の方からそう言われることはなかったので、単純に嬉しかったですね。
――関さんに弟子入りしたいと思っている声優さんは、いっぱいいそうなイメージがしますが。
関 いやいや、声優って公の場では楽しそうにしていますけど、基本的には根がまじめで人見知りで、自分からはあまりしゃべったりしないタイプの方が多いんですよ。仕事だけしてすぐ帰っちゃうような。
種﨑 そう、いわゆる職人タイプの方が多いです。
関 そんな現場だから、後輩に慕われるようなことも少ないんですが、そんな中を勇気を持って言ってきてくれたのがさらに嬉しかったんですね。
子どもも大人も楽しめる不変のテーマが『ダイ』の魅力!!
――それでは最後に、今後の『ダイ』の見どころを伺えますでしょうか。
種﨑 『ダイ』という物語の長い長いクライマックスはまだまだ続いていきます。初戦では完膚なきまでにやられてしまったバーンとの決戦はもちろん、ダイの心の中にバランがいるように誰かの中にもハドラー様がいるとか…それによりさらなる進化、成長があったり。本当に見どころだらけなんですよね。
関 初めて見る今のちびっこたちも、観ていて楽しめるものなっているからすごいよね。
種﨑 はい! 子どもから大人まで、間違いなく楽しめる展開が続きます! それらがアニメーションスタッフのみなさまのおかげで毎話想像以上の映像で観られる幸せを噛みしめつつ、それに負けないように自分も最後までがんばっていきたいです。
――ありがとうございます。それでは関さんお願いできますでしょうか。
関 『ダイ』という物語は、努力、友情、勝利をど真ん中で体現している作品だと思っています。時代は昭和、平成、令和と変わっているんですが、それらは不変的なテーマだと思うんですよね。ダイが見本を見せてくれるので、この作品を通じて友だちとの友情を深めていくお手本にしてもらえればと思います。
――本日はありがとうございました!