アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 ヒム役 三木眞一郎さんスペシャルトーク掲載のVジャンプ1月特大号は本日発売!!
本日発売のVジャンプ1月特大号ではヒム役 三木眞一郎さんのスペシャルトークを掲載中です! 今回は誌面未公開カットとあわせてお届けします!
あえて先の展開を読まず、ヒムの心境の変化を再現!
――『ダイの大冒険』の原作漫画について、事前に読まれたことはあったのでしょうか。
三木 スタッフの方にいただいて、それを途中まで読ませていただいています。楽しみにちょっとずつ読み進めている感じです。
――それはオーディションが決まったときからなのでしょうか?
三木 オーディションで決まってからですね、原作をいただいたのは。オーディション部分はいただいていて、実際にヒム役に決まってから全巻をいただいた感じですね。
――原作は少しずつ読み進めているそうですが、ヒムのこの先の展開はまだご存知ない感じでしょうか。
三木 知らないんですけど、SNSで「この後お笑いのシーンもあるしな」とか見て、そうなのか!?とか。でも先を知っていない状態で、台本をもらってヒムはこうなるんだって経験しながらいきたいかな。ハドラー様に作られているので、生きてきた上での履歴書が少ないんですよね。なので、彼のそういう意味でいうと、経験のなかでの伏線が少ない部分もあったりしますよね。そこは、他の人物の声を任されたときとはちょっと違う部分かも。
――ヒムという役は、どういった印象でしょうか。
三木 ハドラー様のためなら死ねるくらい義に厚いという印象です。仲間のことも心配していたりもするし、ざっくり言うと「いいやつ」だなって。自分の好きなものとか目的にはすごく熱い部分もありつつ、アルビナスとかに「待て」とか言われると、いかんなとちゃんと待ったり退いたり。すごく人間味のある素敵な人だなって思っています。あんなに熱くなれるのが、人じゃないわけじゃないですか。人工的な生物ではありますが、そこに熱さがあると思います。強いっていう風には描かれていますが、人間じゃないっていう風には描かれていないじゃないですか。なので、人間との違いは特には意識してないです。
――「オリハルコンの身体で痛みを感じるのか感じないのか」というのを気にされていたそうですが。
三木 どこまでなんだろうっていう話をしないと、おかしなコトになっちゃうので。痛み自体はそこまでじゃないけど、やっぱり負荷がかかっているわけだから、それはキチンと伝えていかないと違和感も出ちゃうだろうな、という考えです。ハドラー様のためにある肉体なんだと、ちゃんと割り切ってるんだろうなという気がします。
人気のキャラクターを担当する、うれしさと怖さ
――『ダイの大冒険』という作品で、悪役を演じることが決まったときのご感想はいかがですか。
三木 怖かったですよ。Twitterとかみると評判もいいわけですし。フォローしている梶(裕貴)くんからちょいちょい『ダイの大冒険』の情報が流れてくるし。「うるせえな梶くんのTwitter!」って(笑)。ミュートしちゃうぞって(笑)。
――そこに参加するのが怖かったと。三木さんでも怖いという思いはあるのですね。
三木 それはもちろん。やはりその作品の先輩たちが作ってきた流れがあり、その作品のキャリアがあるわけじゃないですか。ある意味そこでは僕は新人なので、その先輩たちが作ってきた流れ、先輩たちがちゃんとやってきたから、ここまで評判も良いわけで。その中に後から入る新人っていうのは、役者として長くやっているからって「よろしくね」って入っていけるわけではないですし、そういった意味での怖さはありますよね。
――ヒムとして出演する回の放送があってから、周囲の反応はいかがでしたでしょうか。
三木 あんまりやんちゃっぽい役と最近は出会ってなかったので、「ヒムらしい」という声をいただけるのはうれしいですね。そういうやんちゃな部分で「ヒム、三木で大丈夫なの」っていう声があがっていたのは、やんわりと知っておりましたので。ヒムは人間臭いんですよ、本当に。そういうところが僕自身、彼の好きなところですね。
――これまでアフレコが終了している時点で、ヒムの印象に残っているところとかありますか。
三木 ザボエラのことを「ダニ」って言ったところとか(笑)。そういうシーンもいいですが、やっぱり川島(得愛)くんのブロックが「ハドラー様をよろしく頼む」って言ってから、その後の受けのシーンで「バカ野郎!」と熱く言った場面。オリハルコンでしょ、あなたって思いますよね。仲間が身を挺してああいうことになったことに対して叫ぶっていうこと、そこにはうっすらと怒りも乗っかっていたりもする。ヒムの出番は今のところ少ないですが、そういった要所要所に彼の心の動きがちゃんと現れているのはうれしいなと思います。
アフレコ現場の雰囲気は…敵味方和気あいあい!?
――現場に入られて、『ダイの大冒険』のアフレコの雰囲気はどうでしたか。
三木 まとまってはいるかな。偉そうに言っちゃった(笑)。作品を作ってるという一体感のある雰囲気ですね。なるほどなって思いました。
――最初のアフレコはどなたとやられましたか。
三木 多分最初は、ハドラー親衛騎団としてはヒムしかしゃべってなかったような…。岩田光央、みっちゃんはいたかも。もはや結構出番が増えてきちゃったのでわからないですけれど、豊永(利行)がYou Tubeで余計なことをいっぱい言ってますからね(笑)(※編集部注:公式情報番組「ダイ好きTV」のこと)。このあいだ会ったときは「すみません」って言ってましたけど、今度何かおごれって言っときました(笑)。でもあらためていい座組じゃないかなと思っていますし、僕より下の世代の人たち、原作漫画とかゲームが大好きな人たちも多いので、そういったものもモチベーションになっているんじゃないかなって思います。
――特に豊永利行さん、梶裕貴さん、前野智昭さんあたりは原作漫画がすごく好きですからね。
三木 逆にそれはそれで大変だと思うんです。好きな作品に出るって、自分にとってプレッシャーがあったりとかするし、アニメでちょっと展開を入れ替えたりしていた場合、原作が好き過ぎるとそこにイラッとする可能性もあったりするので。だから好き過ぎる作品に出るっていうのも、うれしいけど難しいですよね。
ハドラー親衛騎団のアフレコ現場での雰囲気は…!?
――ハドラー様というか、関智一さんとの絡みはどうでしたか。
三木 いやあもう関智一楽しそうだなっていう(笑)。智一楽しそうにやってんな、オイって。そこに子安武人くんがいたりするし、同年代がいるんですよ。みんな楽しそうにやってんなって思ってます。ああいった役の智一は珍しい気がして、よくぞ智一をハドラーにと。個人的にはそれが新鮮でしたね。そのように思っているのですが、自分でも楽しく演じてるんじゃないかな。
――ヒュンケル役の梶裕貴さんとも絡みが多いですね。
三木 そうですね。いつも終わりのほうで美味しいところをさらっていく(笑)。梶くんは熱いからね、ぴったりなんじゃないでしょうか。本人も役に対して、シンパシーを感じてるんじゃないかな。ある意味、自分を投影しているんだと思う。梶(かじ)くんとはよく話をしてたから、そういう意味でも見ててぴったりだなって思いますね。
――三木さん自身とヒムとでは、似ているような部分はあるのでしょうか。
三木 うーん。似てなくはないのかもしれないですね。行動ですごくわかる部分はいっぱいあって、それもあって、彼のことが好きなのかもしれないですね。ちょっと待って何でそうする?ということはまずないです。何でそこまでするっていうのはあるけど(笑)。オリハルコンだからって、本当に無茶しますよね。同じハドラー親衛騎団のブロックは、仲間を守ることで大きく傷ついてしまった。ハドラー親衛騎団の連中はプライドも高いけど、周りと協調するバランスもあったりするところが集団として面白いかなと思っています。
――ダイにとって大きな壁となる、魔王軍のキャスト陣はどのような雰囲気でしょうか。
三木 ダイたちのキャストにとって、先輩の土師孝也さんとか子安武人くんとかが敵側にいるわけじゃないですか。その役者陣の年齢感もすごくいいなって思ってます。若い人が年配をやると、やはり無理が生じるじゃないですか。そういうストレスがどの役にもあまりないと感じていて、視聴されるみなさんもいい意味で見ることに集中できる、ひとつの要因じゃないかなと思っています。すごく豪華な配役で、よくこんなにふさわしい人たちをキャスティングしているなって思います。あの土師さんが、スタジオに入ってすぐに出てくるときもあるくらいですから。「仕事したの?」って聞いたら「したよ」って(笑)。
――土師さんとは、これまでも共演することがあったのでしょうか。
三木 ときどきご一緒させていただいてます。ご高齢ですし、労ってあげなきゃいけないんですが(笑)。若い役者たちに混じって俺とか土師さんとかがいると、若い連中はおいそれと声をかけにくいという話を聞いたんです。そんなタイミングで、土師さんに「先輩がベテランと話しているほうが現場の雰囲気もいい場合もあるらしいですよ」って話をしたら、自分から「俺のことをジジイって呼んでいいからな」っておっしゃってくださったりする、お茶目で素敵な先輩です!(笑)。
――ハドラー親衛騎団の他の面々のみなさんとは、どのような雰囲気なのでしょうか。
三木 小林(親弘)くんのシグマとか、フェンブレンの遊佐(浩二)くんとか、アフレコをすると俺を含めそこ一角が呼ばれるわけです。親衛騎団はいい雰囲気でやれているとは思います。最終話までの収録が全部終わったら、ハドラー親衛騎団の座談会とかやりたいですね。
――いいですね!
三木 そういうのがあってもいいかなっていうくらい、僕はあのグループが好きですね。ぜひやりましょう。
他のキャストたちと収録でぶつかってみたい!
――アルビナス役の田村ゆかりさんはいかがですか。
三木 彼女がああいう役をやるのは初めて見ますが、ハマってるんじゃないでしょうか。いろいろな方面のファンを巻き込めるという要素もあると思います(笑)。彼女は冷静に物事をみていますからね。そういう部分もちゃんとハマって見えてるのかもしれない。遊佐くんも彼のことなので、いかようにも素敵にしてくれるんじゃないかなって思います。
――ポップ役の豊永利行さんはどうでしょう。
三木 やっぱり原作が好きな感じがすごく伝わってくる。でも好きだからこそ、マイク前で引き算しなきゃいけない部分もあると思うのですが、その引き算や足し算がちゃんとできているのかな、と思います。
――ご本人も最終回まで知っている方だから、それはなかったことにして、その時々で演技をしないと、ということを以前お伺いしました。
三木 あのメンツなんだから、「現場を引っ張らなきゃ」ってやらなくてもいいし、ちゃんと引き算もして、弾けるところは弾ける。いい意味で不必要なものを背負わなくていいのは、いい方向に作用してるんじゃないかな。彼の役が主役だったり、もっと若い連中が周りにいっぱいいたら、しっかりしなきゃいけなくなってきちゃうけど、そこまで彼は背負わなくていい状況ではあるんじゃないかなと思うので。
――チウ役の堀江瞬さんとはご一緒されましたか。
三木 それが昨今のご時勢もあり、収録ではないんですよね。まあ、先に録った分を聞きながら収録できるのはありがたいことですが、やっぱりみんなで録りたいですよね。本当にそう思います。
――ヒムとチウの人間じゃないふたりが、ファンには人気で、視聴者も楽しみにしていると思います。
三木 それは楽しみですね。読者のみなさんは「何だよ読んでないのかよ」って思わないでくださいね。原作を好きすぎになっちゃうと自分が大変だから、徐々に読んでるんだよっていう、ちゃんとした理由がありますから。
――他のキャストの皆さんとの、アフレコの際の面白いエピソードはありますでしょうか。
三木 このあいだも岡本(信彦)くんとかがYou Tubeで、「勝てる気がしない」って言ってるのを見て、当たり前だ、何年やってると思ってるんだと(笑)。そういう言葉が出てくるっていうことは、スタジオの中でのヒムとして説得力を出せているのかもなって思っています。そういうのは無理なく映像にも乗っかっていくのじゃないかと思いますね。智一とは、ある意味一緒にユニットも何年かやってて付き合いも長いんです。今は収録が別録りになることも多いですが、うまくいったらスタジオで一緒になれるかもしれない。この先そういうチャンスがあると思うとワクワクしますね。梶くんともぶつかってみたいです。
――まだ今は不完全燃焼な感じなのでしょうか。
三木 そうなんです。ちゃんとやり取りができるのだったら、それはとてもうれしいなって思いますよね。
種﨑さんは「ダイ」として周りのキャストも引っ張る!
――ダイ役の種﨑敦美さんは、三木さんはどのように感じられたのでしょうか。
三木 スタジオではそんなにご一緒できてなくて、あらためて顔を合わせたときには、ああそうかこの役者さんか!という感じでした。物語を通じてダイが強くなっていくといいう部分に、仲間とか友情とかジャンプの王道的な部分があるので、彼女自身が力強くあるということで周りの役者たちの息もあっていくという居住まいをしてるんじゃないでしょうか。お芝居もちゃんとしているから、そういう部分で引っ張っていってるところもあると思います。スタジオの中の環境が、出演させていただいている作品の雰囲気と合っていればいるほど、お芝居をする上での嘘が減っていくから、よりシンクロ率が高くなる。彼女はそういった、シンクロ率を上げるのが、すごいんじゃないですかね。そういった嘘がない芝居で、視聴者の心を引きつけるっていうのは、さすがのキャストですよ。
愛される作品の中で「生きる」キャラを演じる!
――ヒムはまだ登場したばかりではありますが、この先の意気込みを伺えますでしょうか。
三木 みなさまの期待を裏切ることがないように、ヒムとしてヒムを成立させていく。ヒムをいかに生きさせていくかということに尽きるし、それはいただいた役にその人生をしっかり歩ませることができるパートを任されてるわけで、アニメーションを作っていく中での1つのピースを僕は任されてるわけです。ヒムの声帯として生きていきますし、戦っていきます。登場キャラクターがこんなにも多い作品の中で、よくも悪くも彼が浮かないようにちゃんと作品の中で生きていけるようにしていきたいなと思っています。視聴者のみなさまの反応を見ていると、こんなにみんなに愛されてる作品に出られるんだということにプレッシャーはありますが、それを「よっしゃ、やったるぞ」といいうモチベーションに変えてやっていきます。
――現代ではSNSで視聴者の声もリアルタイムで見ることができますね。
三木 観てくださっている方々の反応に、ネガティブなご意見はあまり見当たらないんですよね。だから本当に愛されている作品なのだなと感じます。そういったみなさまの気持ちを削がないようにしていきたいなと思っています。
――ありがとうございました!
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